ロンドンに行きました 3日目 3

それではお城に行ってみましょう。スコットニー城という名前のお城です。後でみたら、このお城は630年くらい前に建てられたものだそうです。ということは、だいたい1400年頃、、、歴史年表で見たら、日本では室町時代で何とかの乱とかかんとかの戦いとかがいろいろ起きていた時期です。ヨーロッパでは中世の終わり頃に分類される時期で、まだ騎士とかお姫様とかがいたのかもしれませんね。どっちも今でもいることはいるけど、物語の中のイメージのような感じとはちょっと違います。

橋を渡って、、、
ロンドンに行きました 3日目 3_a0172884_12104650.jpg
小道を通って近づいていきます。お城と言ってもいろいろですが、大阪城とかベルサイユ宮殿とか、そういうのとは全然違って、このあたりの領主が住んでいたおうちという感じですね。宮殿とお城は違うのかな?
ロンドンに行きました 3日目 3_a0172884_12111374.jpg
ほんとに中世そのままですね。。。
ロンドンに行きました 3日目 3_a0172884_12121023.jpg
なんだかすごいことになっています。ほんとはこの奥までも行きたかったのですが、Tさんの立てたスケジュールは盛りだくさんなので、一ヶ所でゆっくり見ることはできません。
ロンドンに行きました 3日目 3_a0172884_12123600.jpg
お城の中。天井が低いですね。昔むかし、こんなところで暮らしていたら冬は寒かったでしょうね。
ロンドンに行きました 3日目 3_a0172884_12135159.jpg
いくら石造りの建物とはいえ、こういう建具はやっぱり傷んでくるだろうし、ガラスだってだんだん薄くなっていくはずです。維持は本当に大変だろうなと思います。
ロンドンに行きました 3日目 3_a0172884_12143367.jpg
人が一人やっと潜り込めるような、小部屋とも言えないような隙間が作ってあるのは、「プリースト・ホール」、つまり「神父を入れる穴」と呼ばれる空間です。イギリスの国教はイギリス国教会(聖公会)ですが、これは政治上と言いますか、王さまたちのお家騒動が理由でカトリックから分離したもので、それに伴ってヨーロッパ本土から来ていたカトリックの聖職者たちの追放や迫害がなされました。でも、そんな聖職者たちをこっそりかくまっていた人たちも多く、そのかくまい方というのがこうして壁に穴を開けて押し込んでおくというものだったのだそうです。

こんなところにこもって、寒くて不潔で不健康だったと思うのです。そうしながらでもお祈りをしていたのでしょうね。
ロンドンに行きました 3日目 3_a0172884_12145187.jpg
さて、戻りましょう、と思ったら、この方がど~んと道を塞いでるではありませんか。通行料を払わなければ通してもらえないシステムになっているのです。しかし私たちは毛虫も草も持ってないのでびくびくと脇をすりぬけようとしたら、シャーッ!と威嚇されてしまいました。カナダ雁、、、イギリス中で嫌がられているのも仕方のないことなのです。
ロンドンに行きました 3日目 3_a0172884_12150769.jpg
なんとか無事に関所を突破して、先を急ぎます。次はどこに連れて行かれるのでしょうか。遠くのほうに黄色く見えるのは菜の花畑です。
ロンドンに行きました 3日目 3_a0172884_12170346.jpg
途中の村は、やっぱりどうしてものどかとは言いがたい渋滞が続きます。
ロンドンに行きました 3日目 3_a0172884_12180176.jpg
しかもイギリス人はこんな狭い道で結構なスピードで飛ばします。豪快な老婦人Tさんだけではないのです。そんなふうですので、サイクリングなどという命知らずなことをする人はほとんど全く見かけませんでした。一日で2人だけです。
ロンドンに行きました 3日目 3_a0172884_12182263.jpg
さて、風景だけは田舎道の渋滞道路を行くこと数十分、次なる目的地に着きました。これはそこにたくさん茂っていた草ですが、うっかり触るととんでもなく痛い目に遭う、危険にして美味なるイラクサ(スティンギング・ネトル)です。若い葉を皮手袋で収穫して、加熱してスープにするととてもおいしいのです。Tさんによれば、これはほっとくとイギリス中を覆ってしまうほどはびこるそうで、ご自宅のお庭などでもよほど手を焼いておられるものと見受けられます。
ロンドンに行きました 3日目 3_a0172884_12192566.jpg
ここもまた先ほど同様にナショナルトラストの管理するお城で、シシングハースト城というところです。ここにもやっぱり広くて美しい庭と小さめの古いお城がありますが、割と平和な歴史だったらしいさっきのお城と違って、こんどのところにはおどろおどろしくて血なまぐさい歴史があります。

しかし、とりあえずこの建物は血よりもホップの匂いがします。イギリス南部のこのあたりはビールの材料の一つであるホップという草をたくさん作っていて、これはそのホップのサイロのような建物だそうです。この変な形の屋根が特徴的で、割とあちこちで見かけました。

なお、お城の周りの広大な農地も含めてナショナルトラストの管理になっているので、森や池があったり、果樹園があったり家畜がいたりで、ゆっくり時間が取れるなら一日いても楽しめるところだと思います。

お城の歴史は古く、これまた中世にさかのぼります。知られている限りでは、最初はサクソン豚という種類の豚を飼っていた農場があり、その農場主サクシンハースト(「サクソンの村、丘、森など」という意味)家が邸宅とお堀を作りました。その家はもう残ってませんが、お堀の一部は残っています。古いドイツ語を起源とするハーストという言葉やサクソンという言葉からも分かるように、このあたりには古くからドイツの影響があるのだそうです。

その場所にやがて別の豪族によって新しく豪邸が建てられたのが16世紀の終わり頃だそうです。Tさんはこれも新築と呼ぶのかな?その建物が今も残るシシンハースト城ですが、18世紀の終わり頃にはこの家の人たちは財政的に行き詰っていて、お城の管理がうまくできない状況に陥っていました。そんなときに七年戦争と呼ばれる戦争が起こり、ややこしくてよく分からないのですが、イギリスではフランス人の捕虜を閉じ込めておく牢屋が必要になりました。

そこで国家が窮乏した城主からこのお城を借り上げ、シシンハースト監獄として使用したのです。ここに閉じ込められたのは3,000人もの船乗りたちだそうですが、彼らに対する待遇は相当ひどかったらしくて「シシンハーストに送るぞ」が脅し文句になったほどだそうなのですが、船乗りたちからの応戦も相当なもので、お城は滅茶苦茶に荒らされてしまったそうです。

戦争が終わって捕虜たちがいなくなったら、その後は荒れた状態のままで救貧院として利用されていましたが、やがてこの徹底的にボロボロのお城を買い取ろうという物好きな人が現れて、大変な努力の末に世にも美しい庭園が作られました。お城の内部も、もともと馬小屋だったところが赴きのある図書室になっていたりで、ほんとうに素敵です。

現在ではナショナルトラストの管理のもとでフルタイムの園芸家チーム(5名)と大勢のボランティアが働いているそうです。昔の自然なままの環境をできるだけ維持するように、トイレでは廃水や雨水を利用するなど、随所に細かい配慮もなされているそうです。
ロンドンに行きました 3日目 3_a0172884_12195812.jpg
サイロの中はこうなってます。ホップを摘むときは一時的にたくさんの人手が必要なので、Tさんの若い頃などは貧しい家庭の多い東ロンドンから一家総出でやってきてホップ摘みをする人たちも多かったそうです。
ロンドンに行きました 3日目 3_a0172884_12235202.jpg
これがお城ですが、、、
ロンドンに行きました 3日目 3_a0172884_12210985.jpg
お昼時なので先にごはんにしましょう。この門の左側の建物の中にカフェがあるのです。
ロンドンに行きました 3日目 3_a0172884_12204498.jpg
ちらっと門の中を覗いてみましょう。ここは実は納屋なのです。吹きっさらしですね。
ロンドンに行きました 3日目 3_a0172884_12213709.jpg
納屋の前に座っていたおじいさん。あまりにもよく風景に溶け込んでいらしたので、お願いして写真を撮らせていただきました。
ロンドンに行きました 3日目 3_a0172884_12240557.jpg
カフェレストランでは、園内の畑で採れた野菜や卵を使った料理を出しています。働いている人は若い人が多くて、こういう施設が地元の若者にとって大事な雇用の場所になっているということを実感します。
ロンドンに行きました 3日目 3_a0172884_12220794.jpg
店内の様子。
ロンドンに行きました 3日目 3_a0172884_12223024.jpg
家具のペンキがいい色ですね。
ロンドンに行きました 3日目 3_a0172884_12225616.jpg
砂糖壷が三色で可愛いのですが、これはやっぱり飾り用でしょうか。
ロンドンに行きました 3日目 3_a0172884_12231995.jpg
上にも行けます。たぶん、この建物も昔は納屋の一部だったのでしょう。
ロンドンに行きました 3日目 3_a0172884_12233565.jpg

名前
URL
削除用パスワード
by ammolitering6 | 2017-05-09 12:26 | 未分類 | Comments(0)

写真サイト3個目です。


by ammolitering6