呪い
2014年 08月 22日
その呪術師の方は、相手の人の名前、あだ名、写真、髪の毛など、必ず個人が特定できるものを用意しなければならないとおっしゃいました。そして、呪いをかける理由として依頼者が受けた苦しみがありますが、それは必ず「私たち」ではなく「私」のそれでなくてはならない、とも言いました。そして、彼は静かにこう続けました。「人は誰も地上を歩き、太陽は誰の上にも照る。」
説明になっているのかなっていないのか分からない一言ではありますけれど、私はそれを聞いてなんとなく「ほんとにそうだな」と思いました。太陽の照らす地上を這う無数の個人が時間の中を否応なく回っていきます。その中の一粒が他の一粒に危害を加え、あるいは呪いをかけます。
この写真は、見覚えのある方ももしかしたらいらっしゃるかもしれませんが、水俣病の原告団が抗議活動をしたときのものです。皇太子のご成婚のときにも揚げられました。