蝶のいないバタフライハウス
2013年 07月 29日
しかし、この場合は程を超えてしまったようで、真っ黒焦げになってしまいました。しかも水っぽいハズレのカボチャです。悲しい気持ちでカボチャだけ食べて先日の私の夕食は終わったのでした。
翌日、鳥のおうちの前を通りかかると、なぜか一人だけ小屋の外に出てしまった鳥がうろうろとしています。仲間のところに戻りたいらしくて、何事か訴えながら柵の前を行ったり来たりしているのです。ふーん、と思ってほったらかしていたのですが、30分くらいして通りかかったときもまだ同じことをしています。なんだか可哀想になって、柵を開けてやろうと思って近付いたら、鳥はびっくりしてばたばたと飛んで中に入っていきました。飛べるのだったら泣かずにさっさと入りなさい!と思います。鳥って、、、やっぱり馬鹿なのです、きっと。
鳥とヤギは送電線の下で一日中過ごします。そのうちミュータントになって羽根の生えたヤギなど生まれるかもしれません。
アウトドアスクールにはプールもあるのですが、、、よく見ると閉鎖されて幾年月という感じです。
昨日はこのプールの柵にたくさんの布団を干しました。山小屋といえばすべてがカビ臭いというのが相場ですが、せめて夏の日差しがある間は日光消毒をして風も通したいのです。カナダでは外に物を干すという習慣がないのか、私がこうやって布団や枕を干していると、マネージャーが「おお!何て素晴らしいアイディアなんだ!」と感動していました。自然の中の学校なので、ぜひともこれを習慣にしてほしいなと思います。
それにしても、100人分の布団干しは楽ではありません。これでも3分の1くらいです。
物干し場はないので、干せるところはどこでも使います。
バスケットボールの観覧席も、今日は布団の専用席です。
ここに泊まるお客さんは大抵は自前の寝袋を持ってきますが、持ってない人は寝具を借りることもできます。タオル類やシーツも、私の貴重な労働力でしっかりときれいに洗ってあります。一袋で一セットなのです。
広い敷地内をあれこれ運んで移動するのに、これを使ってみようと試みました。これだとワゴンを引っ張るより楽かなと思ったのです。ところが、これがものすごく乗りにくくてびっくりしました。曲がるつもりもないのに片方にばかり曲がってしまって、背骨がねじれて折れそうで怖いです。そういえば昔々、この手の自転車が危ないという話を聞いたような気がします。初めて乗ってみて、なんだか分かる気がしました。
さて、昨日はここで結婚式が行われました。50人ほどのお客さんが来て、キャンプ場を借り切って夜まで騒ごう、というものです。ここは一応は学校なので、ほんとは結婚式をするような場所ではないのですが、なんでも時代に合わせて変わって行くということなのでしょう。町中の小奇麗な結婚式場ではなく、こんな自然の中で結婚式をしたいというのは、やっぱり多少アートがかったお2人でした。お友達も一緒に妖精のような格好をして、気楽な感じのミュージシャンたちがぞろぞろとやってきて、まあ、そんなふうな結婚式でした。野の花の花束はマネージャーの奥さんが作ったものです。
腕の良いお抱えシェフがヘルシーな料理を作ります。ニンジンとクスクスとサラダです。
いろんなキノコとヤギのチーズを詰めたフィロ・ペイストリーとワイルドライス。作っているところを見ていたら、ほんとに手間も時間も掛かります。でも、食べるのはほんとに一瞬です。スタッフはお客さんが残したら晩御飯にありつけます。幸い幾つか余っていたので、一つ頂きました。とてもおいしかったです。
こちらはサーモン。
料理が残ったら別の料理に姿を変えたりしますが、最終的に残ったら豚の皆さんのお食事になります。野菜の皮などもすべて食べてくれます。彼らの食の嗜好は、要するに何でも良いのでしょうか。これが一番好き、とか、これは嫌いなのよ、というのはあるのでしょうか。
私はいつもはお客さん用のキャビンの近くにある小屋に泊まっていますが、マネージャーが「今夜の客はきっとうるさいから寝られないよ、遠くに避難したほうがいい」と賢いアドバイスをしてくれたので、ほんとにひっそりと森の中に隠れたこちらの小屋に泊まりました。それは本当に有難いアドバイスで、お客さんたちは私のいつもの山小屋のまん前で夜中の3時までがんがんと音楽を鳴らしてパーティーをしていたそうです。マネージャーは客が寝静まってから後始末をしないと寝られません。こういうところで住み込みの管理人をしているマネージャーもえらく大変な仕事だなと思います。
一晩過ごした山小屋の中はこんな感じです。ここではかつて蝶の飼育をしていたとかで、今でも「バタフライ・ハウス」と呼ばれています。しかしその実態はどっちかというとモス(蛾)・ハウス、あるいはスパイダーハウスであり、灯りの周りには蛾が乱舞して、家の中の隙間という隙間にはクモが巣を張っています。先日はこれを徹底的に掃除したので多少はクモっぽさが減ってますが、これだけたくさんのクモの人口を支えられるだけの虫がいるということでもあり、やっぱりここは森の中なんだなと実感します。
蜘蛛を追い出したら虫ん子がいっぱい来るんじゃないの?でもまた蜘蛛が戻って来るか。共存するしかないかな?うちのアパートにも蜘蛛がいるけど、そのままにしています。