ロンドンに行きました 5日目 5

台所ハウスに入ったら、最初に目につくのはこの張り紙です。これは王様に仕えることになった人の雇用契約書のようなもので、わたくしこと何の何某は王様に忠誠を誓います、というようなことを書いてあります。王様には召使が付き物ですが、無名に終わるその人たちも一人ひとりがこうして雇われている従業員なのだな、ということを思います。
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台所ハウスの中の執務室。ご縁がないので考えたこともありませんでしたが、今でも王室や皇室の台所などは同じ役割を果たす事務所がちゃんとあるのでしょう。
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当たり前ですが全部手書きの帳簿。どこの誰からどんな食材をどれだけ買った、というようなことが書いてあるのでしょうね、たぶん。
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執務室にあったお茶セット。ティーポットはこれぞ本物のブラウンベティー(この形のこげ茶色のもの)。カップは昔風の取ってのないタイプのブルーウィロー(青一色で風景画を描いたもの。柳がある場合が多い)です。
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「ジョージ3世様のための料理道」という本。戯画風の挿絵がたくさんあって、レシピもあります。今回の旅ではこういうイギリスの古いレシピ本を買いたいなと思っていて、本屋さんも何軒か覗いてみたのですが、ゆっくり見たわけではないので、あいにく見つかりませんでした。そのうちにオンラインで探してみようと思います。

少なくとも20年ほど前までは、100年くらい前の料理本がそのままの内容で新刷して売ってたという話を聞いたことがあるのです。野菜は少なくとも45分は茹でなさいとか、そういう貴重な調理知識が満載で、読んでるだけでも面白いと思います。

なお、北米には「料理の楽しみ(Joy of Cooking)」という古典的な料理本(1931年)があり、政府が各家庭に配布したのかと思うほど、どこのうちの本棚にでも鎮座しています。これがなかなか面白い本で、そのへんで捕まえたリスの調理法など、大恐慌時代のサバイバル知識をそのままに伝えていて生々しいです。手に入れば読んでみてください。
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他の挿絵。
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小さなかまどのある地下の部屋。
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水さしなど。私はなぜか昔からこの水差しというのが好きです。その割には一つも持っていませんけれど。
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地下の大きな部屋が主たる調理場です。ここでは昔の料理人とその弟子の格好をした人たちが料理の実演をしていました。
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この弟子の風貌がいかにも中世そのままで趣100%なのです。彼はきっと見た目で採用されたのでしょう。
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調理している火ももちろん本物の炭火です。
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師匠の扮装も昔の従者たちの服装を古いイラストなどから忠実に再現したものだそうです。
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おいしそうな料理が並んでいます。みなさん、どうぞ味見してください、と言われるのを期待していたのですが、あいにくそれはありませんでした。見せるだけ見せて、あとでどこかに持っていくのだそうです。ジョージ3世の肖像の前に捧げたりするのかな。そうだったらいいな、と思います。
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豚などの丸焼きをするための大きなかまど。
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葡萄酒など入れておいたのでしょうか。
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天井には物を吊るしておくための金具がいくつも取り付けてありました。冷蔵庫のない時代なので、物を保存するためには吊るして乾燥させるのは大切な方法だったのだと思います。
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Commented by みち子 at 2017-05-29 09:16 x
葉子さんは多分見ていないでしょうけど、イギリスの かの「Downton Abbey」というテレビシリーズ、友人に面白いから見なさいと言われて ぜんぜん期待しないで見たら 私の好みの映画ってことはなかったけど、ハマって全部見てしまいました。そこの台所が この台所ハウスを小規模にした感じでした。ドラマだから ほんとかどうか分からないけど 結構おいしそうな料理が出てました。

ドラマの台所では10人位の料理人に料理長のおばさんがいて、サーブする人(男性でないとダメらしい)が3人位いて、バトラーがいて、という具合でした。台所で料理人達がざわざわと話しているところにバトラーが現れると、皆さっと起立するんです。バトラーって偉いんですね。100年か150年まえのイギリスの貴族の様子が分かって(作り話だからどの程度ほんとか分かりませんけど)面白かったです。
Commented by ammolitering6 at 2017-05-30 04:27
Downton Abbey、何回か見ました。話が暗くて気が滅入るので、ずーっと見ることはできませんでしたけれど。。。背景はさすがに美しいですよね。イギリスのことなので、そういう従業員の階級などはかなり史実に忠実だと思いますよ。

最近はまた「バトラー」と言って偉い人のお付きの従者のような仕事が出てきてるそうですが、本来のバトラーは大げさに言えば家老といいますか、ある高貴な家庭に仕える私立企業の社長さんのようなもので、お家の管理の最高責任者だと聞いたことがあります。

ドラマの料理もちらっと見ましたよ。あのドラマでは料理人たちはみんなイギリス人だった気がするけど、昔はフランス人の料理人も多かったそうです。ドラマでは、虚勢を張ってとびきりおいしそうなのを出してたのではないでしょうか。イギリスの料理は信用ならない、という気分からまだ抜け出てないのです。
by ammolitering6 | 2017-05-29 06:32 | Comments(2)