美術館に思う

しばらく前のことですが、バンクーバーの中心地にある美術館に行ってきました。いつもお世話になっているイギリス人のご夫婦がこの美術館のメンバーで、ここでモネの展示をやってるから見に行こう、と誘ってくださったのです。しかし、誘ってはいただいたものの、入場料は自費なので「ううっ、、、(仕方がない)、はい、そうしましょう」と涙をのんでお答えしたのでした。後になって、お二人は私の入場料を払ってくださるおつもりだったことが分かったのですが、私はちょっと先に着いて年間入場券を買ってしまっていたのです。

この美術館、どうも何だか展示がぱっとしないことが多く、きっと予算がとても少ないのだろう、作品レンタル料の値下げ交渉にも苦労しているのだろう、と、見学しながら身につまされる思いがします。しかし、その割には入場料が高くて、1回24ドルするのです。展示がしょうもないから入る人が少なくて、それで一人当たりの値段を上げて、それで余計入場者が減って、さらに予算が減って、という悪循環になってるのではなかろうか、と、私は自分のことを棚に上げて美術館の懐事情を心配しています。

ともあれ、毎回「損した、、、」と思いながら出てくることになるのですが、年間入場料だったら90ドルで、3.5回行けば元が取れる、という中途半端な価格設定になっています。しかし、3.5回というのは実際にはできないわけで、やはり4回行かなくてはならないのです。

こんな入れ物ばっかり立派な美術館に年に4回も行くだろうか、と深く悩んだものの、長年お世話になっているバンクーバー市へのせめてもの貢献だ、税金高いけど、と思って、結局買ってしまいました。こうなったら通りかかるたびに絶対入ってやる、と思います。なお、高齢者の場合は年間入場料も安くて、二人で80ドルです。いくら若く美しいとはいえ、私からは倍以上もむしりとるというのは、それはあまりに辛い仕打ちではありませんか。ひどいぞ、と私はひっそりと訴えるのでした。
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心の中でぶつぶつと文句ばっかり垂れながら入ります。え~と、今回の展示会の主はモネ、モネと。そう、あの睡蓮ばっかり描いてた人ですね。
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白い壁に額縁入りの絵、といういつものパターンです。お揃いの色合いのセーターを着たお二人が熱心に見学なさいます。画家でいらっしゃる奥様はモネの筆遣いや色使いがお好きなのです。
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こちらがモネ。コートの下に着ているものが大きな白いヒゲに見えてしまいました。この風貌は私の常連のお客さんに似てるぞ、と思います。
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展示会の絵はいろいろで、無名の頃の地味で地味でとっても地味な絵、だんだん乱暴な筆遣いになっていく頃の絵、そして晩年になって視力が衰えてからの絵などで、最盛期の有名な作品はきっととても高くて借りられなかったのだろうな、と思います。

全体的に華に欠ける展示を見ながら、例によって「一つ貰えるならどれがいいだろう」と考えました。値段やあとの管理のことなど考えない、というのがこの遊びの条件ですが、そうねえ、それならこれかな、と思ったのはこちらの絵です。ロンドンを思わせるし、薄暗い中にも光が見えるのです。でも、「じゃあこれですね、どうぞ」と言われたら、、、やっぱり「いや、別に要らないかな」というのが正直なところでした。
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これなどは色合いも明るくていいですね。
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ここらへんの雑な描き方の良さは私にはどうもよく分からないのですが、力強さと言えないこともなく、きっと良い絵なのだろう、と思います。
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展示会の後半部分は絵のモデルとなったモネの庭園の写真展でした。この企画は面白いものだと思います。ただ、写真がどれも小さいのが残念です。
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ああ、この藤や池を描いたのね、、、
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ああ、この橋を描いたのね、と思えるので、とても良かったです。
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よく分からないけど名画を見たような気がする、と思いつつ美術館を出て、近くにあるティールームに行きました。いつもお茶に招いていただいているし、そもそも彼らは私のお茶屋さん時代のお客様でもあります。ささやかなお礼をするにはやっぱりティールームがいいと思ったのです。
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あいにくアフタヌーンティーの時間は過ぎていましたが、お茶とお菓子をお願いすることができました。大きなお皿にちょこっと乗ったお洒落で値段の高いお菓子はどれもとてもおいしくて、お二人にはとても喜んでいただくことができました。これからは年間入場券をフル活用して、ときどきこうして美術館とお茶にご一緒したいと思います。毎回ティールームだと財政破綻の恐れがあるので、多少ささやかなお茶になると思いますけれど。
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by ammolitering6 | 2017-09-30 13:31 | Comments(0)