よく晴れた昨日の午後、スタンレー公園に行ってみました。公園の入り口のところで道路が車両通行止めになっていて、お巡りさんが交通整理をしています。
亜熱帯気分の華やかなこの海辺で、、、
ただのんびり寝そべってるだけの人々を守るために車を通れなくしたというわけでは別になく、、、
実はこの先の道路をハレ・クリシュナの山車がのんびり通ってるから封鎖されていたのでした。私は朝お店で働いて、お昼過ぎくらいに行ったのですが、パレードは公園よりももっと前のほうから海辺の道を2キロほど練り歩いてきていて、私が公園に着いた直前まではそっちの道のほうも通行止めになっていたのです。
山車が3台もあって、空には「ハレ・クリシュナ」と書いた大きな旗をはためかせた飛行機まで飛んでいて、という風にもっとずっと盛大だった一昔前ほどの規模ではありませんが、ハレ・クリシュナのお祭りは今でも十分に派手で大きなお祭りです。
山車が終点の駐車場のところに来るまでに先回りして待ちました。これはそこにあった菜食レストランの車が引いていたものですが、、、
なんと、クリシュナ様とアルジュナ様の戦車だったのでした。詳しい説明は省きますが、ご興味のある方はぜひともバガヴァッドギーターを読んでみてください。
集まっている人々はインド人が多く、この日のために一番上等のサリーを着てきた、という感じの女性たちがたくさんいました。
山車がやってきました。神像が乗っていて、今は亡き偉いお坊さんの等身大の像も乗っていて、それらのお世話をする重役を授かった人たちも乗っています。山車の下のほうには別のお坊さんの写真がありますが、去年のお祭りの後にお亡くなりになった方なのでしょう。
偉いお坊さんの像はこちら、プラブパーダ様です。一年に一度、このお祭りのときにだけお寺の外に出ておいでになるのです。私はもう何年もお寺に行ってなくて、こうしてパレードに来てみたのも何年ぶりだろうという感じなので、プラブパーダのご尊顔を久しぶりに仰ぐことができてほんとに嬉しかったです。
山車が止まってからはちょっとした儀式が行われました。階段の途中にいる人が上にいる人から何か受け取ります。
火のついたココナッツなのです。たぶん、中の水を抜いて油を入れて芯も入れてあるのだろうなと思いますが、よく分かりません。
そしてこの火のついたココナッツをプラブパーダと神像の前でぐるぐると回して、それからおもむろに地面に向けて投げつけます。
実際に投げてるところはこんな感じ。ココナッツは固いと思うのですが、やっぱり思いっきり投げつけたら割れるのでしょうね。ちょっと離れたところから見ていたので分かりませんが、ちゃんと周りの人が怪我しないように隙間を空けてあったのでしょう。
それから一人がプラブパーダを抱えて下ろします。この役目をおおせつかった人は、落っことしたらどうしよう!?!?と思って夕べ眠れなかったりしたでしょうか。私だったら一睡もできない気がします。続いて神像も抱え下ろされます。
プラブパーダと神像には派手派手の傘が差し伸べられます。これはよく見ると下は普通の傘で、上だけこうして派手なカバーがついていました。
あとは公園内の会場までこうしてプラブパーダと神像を抱えたままで進みます。
これは途中に生えていた草。たくさんあります。
パイナップル草という草で、カモミールの一種です。花びらが見当たらないのですが、丸くて黄色っぽいところを手で揉んでみるとパイナップルのような香りがします。この部分だけたくさん集めてハーブティーにすると、うっすらと甘くてパイナップルの香りのするおいしいお茶になります。
さて、メイン会場です。テントがいっぱい出ていますね。
こんなのもあるし、、、
こんなのもあります。普通のカナダ人の間ではハレ・クリシュナの熱心な信徒は減少傾向にある気がするのに、それでもこれだけ大々的なお祭りが可能だというのは、やはりインドからの移民が多くて、必ずしもハレ・クリシュナとは関係なく、ヒンズー教の大事なお祭りとしてのラスヤトラを大事にしているからなのだろうと思います。浄土真宗の人が外国で日蓮宗のお祭りをサポートするような感じでしょうか。
ステージでは一日中いろんな出し物がありますが、、、
私が見たときはメキシコ人がいました。しかもよく見ると絶対に中国人にしか見えない「メキシコ人」が混じってスペイン語で歌ってたりするのがとってもカナダです。私がロシア語コーラスやウクライナ語コーラスに紛れ込んで民族衣装まで着て歌ってるのと同じですね。
会場の脇で一際大声で喋ってる集団はやっぱり中国人たちで、じつは彼らは法輪功の人たちなのです。法輪功について日本ではどれだけ知られているのか分かりませんが、中国では法輪功は激しく弾圧されているそうで、信者の人たちはもちろん長年に渡って激しく抗議しています。でも弾圧している中国政府にも言い分があり、とても危険なカルト集団なので厳しく取り締まっているのだそうです。
どっちがどうなのかは知りようもありませんが、少なくとも彼らがカナダで何か問題を起こしたという話は私は聞いたことがありません。ただ、この人たちは声がでっかいことは確かで、だいぶ離れたところからでも叫ぶようなその声ははっきり聞こえました。きっと中国人は肺がすごく丈夫なのだと私は思っています。
お祭りの主役は無料で配られる菜食料理です。行列は途中で折れ曲がってこの3倍くらいになっていて、とてもじゃないけどじーっと待つ気にはなれません。
忍耐強く待った人たちはここに辿りつく、という仕組みです。
お料理は最初から諦め、会場をうろうろと見て回りました。衣類を売ってるお店では、「スピリチュアル・ファッション」という名の通り、真言を書いたシャツとか神像の絵がついたシャツとか、そういうのを主に売っています。
ヨガをしているテント。魂が神様と繋がる、という本来の意味の「ヨガ」ではなく、体操のほうのヨガです。
牛の保護に関することを説明するテント。
もちろん宗教書のテントもあります。ここには私の古いお友達であるお坊さんもいて、10年以上振りくらいに会うことができました。Nさん、お元気そうで何よりでした。他にも懐かしい人たちに会うことができ、やっぱり行ってよかったと思いました。
神像に捧げられたお花のお下がりをいただいて帰りました。ありがとうございます。
帰りは海辺の遊歩道を通って公園を抜けました。ラスヤトラのお祭りがこれからもこの地で大事に受け継がれていくことを願っています。