キノコクラブに行きました 1

昨日はキノコ友達のJさんのおうちに遊びに行きました。静かな住宅街の、、、
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こちらの小さなおうちです。だいぶ古いおうちなので、見た目はシンプルですが中は昔風で味わい深い作りになっています。
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台所には薬になるキノコのポスターが貼ってあります。見たことあるのもあるし、家で育てていたものもあります。育てたことのあるキノコは紅茶キノコとヨーグルトキノコと椎茸で、紅茶キノコは上手にできてしばらく持ってましたが、世話をするのが面倒くさくなって、いつのまにか止めてしまいました。ヨーグルトキノコは失敗続きで死んでしまい、椎茸は丸太の短いので作っていて何枚か収穫できたけど、そのあとは枯れてしまいました。
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ポスターの真ん中あたりにあるこの赤い帯状の模様が入ったキノコは「猿の腰掛」の一種で、英語名はそのまんま「赤帯茸」、Red Belted Conk (Fomitopsis pinicola)と言います。日本語ではツガサルノコシカケという名前でちゃんとあるので、カナダにも日本にも同じものがあるのでしょうね。
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そしてこの日はキノコ友達の一人のCさんがその実物を持ってきていました。今日の集まりはいったいどんなのものになるのか、実は私は全然知らずに出かけていって、そもそも考えてみれば私はキノコクラブのメンバーでさえないのです。私はただキノコが好きというだけで、先日ゆかさんにケベックの珍しいキノコを貰ったので、それをおすそ分けしに行っただけだったのですが、結局この日の作業の大部分はこのツガサルノコシカケの解体作業に費やされました。
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横から見たらこんな感じ。ずっしりと重いです。これはCさんが何ヶ月か前に隣町の森で採ってきて冷蔵庫に入れていたもので、ちょっと古くなっているので鮮やかな赤い部分が黒っぽくなっています。
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なお、これは先日隣町の森に行ったときにたまたま見つけた同じキノコ。まだ若い1年目のキノコなので全体が真っ白で、そんな時期に限ってはこうやって水滴に覆われるのだそうです。この水滴は木そのものから吸い出したものと大気中の水分だろう、というのがCさんの意見で、そんな珍しいものを見られた君はとってもラッキーだ、と言ってくれました。
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さて、若くて白いキノコは柔らかいのですが、これは年輪を重ねた古キノコなので固いです。これを切って粉にしてお茶にしよう、というのがCさんとJさんの目的だったので、ノコギリを持ってきてさっそく作業に取り掛かります。

この日は他にも別のキノコ友達が来る予定でしたが都合がつかなかったとのことで、3人だけの小さなキノコクラブです。Jさんは地元の大学で環境学の博士号を取る最終過程にいるので、自然について調べたり教えたりなさっています。私は4月のアースデーのときにボランティアでイベントのお手伝いをしましたが、それは主催者の一人であるJさんのお誘いだったのです。若いCさんもそのときのボランティア仲間です。

そして、Jさんは都市計画ワークショップのときに一緒にお手伝いをするボランティア仲間でもあります。ここで小さなノコギリで頑張っているのはCさんのほうで、彼は電子工学のエンジニアなのにやっぱり菌類への夢が捨てきれないで、方向転換をして科学者になろうとしている若者です。
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キノコなのに木のように固いので、苦労してやっと2枚ちょっと切りましたが、これじゃラチは開かないけど夜は明ける、やり方をかえよう、という結論に達しました。

年輪ができているので、これは5~6年物のキノコみたいです。
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2枚ちょっと切った、というのは、Jさんが1枚、Cさんが1枚、そして私が渾身の力を込めてやっと3センチくらいの切り込みを入れた、というものです。
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方向転換で向かった先はこちら、裏庭の物置です。朽ちかけている気がするのですが、まだ建っているようなのです。
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学者さんのおうちなので、家の中にもガレージにも本がいっぱいです。左側がJさん、右がCさんです。Jさんは手先が器用で家具も作るし、いろんなものを修理したりもできるので、道具類もたくさんあるのです。
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前よりももっと大きいノコギリを使い、ギコギコと切ったときに出る木クズ(キノコクズ?)を紙で受け止めます。
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キノコは動かないように道具で固定します。
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大きいノコギリを使ってもかなり大変な作業でしたが、やっとなんとか切り終わりました。最終的に、これはどうしても機械が必要だ、ということで皆が同意したのですが、普通の電動ノコギリだと刃に油がついているので、そのままだと使えません。高速で切るとなると薬用キノコなので熱の問題もあり、それじゃあどうする、ということでJさんとCさんが意見を出し合っていました。
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スライスしたものをハサミでさらに2センチくらいに切って、フードプロセッサーにかけて細かくします。木切れを入れるようなものなのでフードプロセッサーが「やめてくれ~!」と悲鳴を上げていました。
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やっとのことでできあがり。最初はうっすらとキノコっぽい匂いがしていただけでしたが、こうやって切るとはっきりとキノコの匂いがします。
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これはコーヒー豆の電動ミルで細かくしたもの。綿みたいにふわふわになっています。
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これを煎じること5分ほど。。。
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できました~!万病に効くような気がする霊験あらたかなキノコティーです。味はというと、ややキノコっぽい香りは残っているけど、それよりも枝っぽい香りのほうが強くて、飲んでみたら最初はうっすらと、しかしはっきりと分かる甘さがあり、「あれ!?甘い!」とびっくりしました。どことなく、あのキノコの容貌から甘みは想像できなかったのです。

でも、飲んでから3秒くらいすると苦味がやってきました。私は苦いのは苦手なのですが、苦瓜みたいに強い苦味ではないので、なんとか大丈夫なレベルです。苦味のほうは、イメージ的に「やっぱり来たか」という感じです。でも渋みは全く感じませんでした。

ものすごくおいしいものでもないけど、それほどまずいわけでもないので飲み進めていくと、だんだん舌全体がうっすらと冷たい感じに覆われたようになり、あまり苦味を感じなくなりました。不思議なものです。
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このツガサルノコシカケというキノコはいろいろと健康に良いそうで、癌にも効くようだということで研究が進められています。Cさんはまだ菌類学者ではないけれど既にかなりの知識を持っているのでこういうことに詳しくて、特にキノコの健康面での効果に強い興味があるので、将来的にはキノコと放射線の関係を研究して、やがては好きな日本でも研究したい、と語ってくれました。

JさんもCさんも知的好奇心の塊のような人たちで、学者さんとその卵なので話は多岐に渡る上に難解です。脳のない単細胞生物の脳機能がどうしたこうした、何とか分子と何とか放射線の波長と周波数がアルファでガンマでイプシロンで、、、と、いったい私はここで何をしているのだろうと思うレベルですが、二人ともかなりの自然派で狩猟採集の話やスカンクやアライグマの話も多かったので、私もタニーちゃんの個性の話など詳細に解説して楽しいお茶の時間になったのでした。

by ammolitering6 | 2017-07-11 09:07 | Comments(0)