サスカチェワン旅行 4

写真パネルには、たくさんの人たちに混じって私の写真も載せていただいてました。ヨウコも忘れずに、と言ってわざわざ入れてくださったRさん、ありがとうございます。
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お茶会のあとで、おばさん~おばあさんたちに誘われてお隣のパブに行きました。皆さんがビールを飲んでいる横で水を私は飲みました。節約第一です。パブには「スリに注意、淫乱女にも注意」という看板がありました。
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スロットマシーンで一攫千金を狙っていると、、、
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「淫乱女に注意しなさい」と書いてあるのに、それを忘れたおじさんがうっかり寄ってきたのでした。なお、スロットマシーンはやらせ写真です。大金の獲得はなりませんでした。
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何しに葬式に行ったのやら、という感じですね。帰り道、舗装していない乾燥した道を向こうからトラックがやってきます。すごい砂埃が立っています。
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途中、羊や馬もいました。鹿はぜんぜん見ませんでした。去年はことさら冬が厳しく、ほとんど死んでしまったのだそうです。
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刈り取りをしている人がいます。Dさんは「あれは葬式に来てくれた誰それさんだ。仕事を中断して来てくれた」と言いました。
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ほっと一息ということで、Dさんがコーヒーを淹れてくれました。新しく買ったエアフィルターという方式の器具だそうです。シリンダーをぎゅーっと押して、空圧で急速に淹れます。あまりコクのない、すっきりした味でした。
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台所の天井には明り取りの窓があります。これもいいなあ、と思います。
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さらに一泊して、翌日も畑を見て回りました。これは種をまくための機械。
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休ませている畑。広い畑の中でも特に愛着のある畑というのがあるそうで、Dさんにとっては家のすぐ脇のこの畑が特別なのだそうです。今は雑草だらけになっています。
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きれいな雑草の花。
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このへんはもともと草ばっかり生えていた土地で、木はほとんどありませんでした。今生えている木々は、どれも開拓者が新しく植えたものばかりです。Dさんの土地は100年ほど前に先祖が開拓したもので、一部は一度も耕されず、牧草地などとして使われています。今ではそういうふうに昔からの表土が残った土地は珍しくなっているので、Dさんは自然保護団体と協力してそういう土地に土着の雑草の種をまき、昔ながらの姿に戻す試みをしています。でも、種をまくタイミングを失敗したりして、あまりうまくいっていないそうです。

Dさんは地元の農家の地位向上や環境保護のためにいろいろと熱心に社会活動をしていた人で、有機農業に取り組んでいるのもそのためです。規模が小さいということも、手間のかかる有機農法には有利です。有機農法だと作物が3倍くらいの値段で売れるのです。また、有機農法は栄養価の問題というより土地の保護の問題ということのほうで大事なので、それを理解して支えてくれる人たちがいるそうです。

農業はほんとに大変な仕事で、天候次第でほとんど全く儲けがなかったりします。Dさんの知人は現金収入のために近郊農業を試みましたが、近くのレジャイナの町は小さすぎて、全然儲けが出なくて失敗してしまいました。そのため、このあたりの農家はほとんどが作物を輸出していて、日本は大事なお客さんだそうです。TPPが締結されたらどうなるかということももちろんカナダでも問題になっていて、穀物の点ではいいけど乳製品の点では大打撃になるので、それぞれの事情で頭の痛いことになるだろうなと思います。Dさんも、跡継ぎの息子さんも、この問題には気をつけて見ているようです。

それにしても、これだけ土地が広いと、牛を飼ったり、クローバーなど育てたりして何年か休ませることができるし、冬が寒いので半年は自動的に休ませることになるし、品質の良い穀物がたくさんでくるのも道理だなと思います。日本の場合は米が主ですが、カリフォルニアなどでは同じような規模で日本のと負けず劣らずの米を作っているわけだし、まず勝ち目はないなと思います。農業だけの問題ではありませんが、TPPが締結されたら日本の形が根底から変わることになるでしょうね。

なお、カナダの農地は1クオーターが単位になっていて、これは160エーカーに相当します。6クオーター(960エーカー)しかないDさんは小規模農家で、専業の大きいところだと3,000~15,000エーカーくらいになるそうです。ああ、それから、水に加えて電力の確保も大きな問題で、汚染は直接的な打撃になるので環境に優しいものが求められますが、それがなかなか難しいそうです。原子力を進めたい政治家もいるそうですが、それは問題ありということで反対の声が強く、ソーラーはどうかと言えば冬が長すぎるし、風力についてもいろんな問題があって反対運動が起きて頓挫したそうです。
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農機具小屋。もともとはこの2倍の大きさで、牛と馬のための小屋でした。お父さんの代までは専業農家で鶏もいたし、ミツバチもいました。牛乳やクリームや牛肉も新鮮なものばかりだったそうです。クリームなどはあまりに濃厚で、スプーンですくって食べていたそうです。
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大きなトラクター。
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もっと大きなトラクター。
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サイロや農機具小屋。先日の大嵐では、ご近所のサイロが遠くまで吹き飛ばされたそうです。
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綺麗だけど牛が嫌うという雑草、キツネ麦。
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廃品になった農機具。15年前から使っていない農薬散布機械もあります。業者が引き取りにくるはずなのに全然こない、と言ってDさんが憤っていました。広いから別に邪魔になることもなさそうですが、放牧すると牛が下を見て草を食べて歩き、尖った部品などを飲み込むので危ないのだそうです。そうなると牛は内臓に穴が空いて死んでしまいます。

なお、死んだ牛はコヨーテのエサにすることが多いそうです。「ほんとはちゃんと片付けたほうがいいんだけどね」とおっしゃいますが、手が回らないのでしょう。ペットフードの業者が引き取りに来ることもありますが、腐りかけの死体でも持っていくので、ペットフードの材料は自分は信用していない、と言ってました。たしかに、ミンクの牧場で働いていた知人も、病気で死んだのでも平気で引き取っていく、と言ってました。
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Dさんが畑に出ると、サリーちゃんが喜んでお供します。
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by ammolitering6 | 2015-09-14 07:24 | Comments(0)

写真サイト3個目です。


by ammolitering6