少し遅れて冬至のお茶
2014年 01月 06日
彼らのツリーはカナダで一般的な生の木でもなければプラスチックでもなく、そもそもツリーでさえありません。数年前まで使っていたツリーは、ご主人がそのへんの林から拾ってきた枯れ枝でした。お二人とも西洋の方ではありますがキリスト教徒ではなく、それでクリスマスに近い冬至を祝うのであるようです。私はほぼ毎年これの飾りつけか撤去を手伝っています。そもそもはお店の店員と常連客として知り合ったのですが、こうして家族のように可愛がってくださり、本当にありがたいことだと思っています。
日本のお茶碗に入って出てきたのは奥様手作りのトライフル。これはイギリスの伝統的なおやつで、要するに手近な甘い物を適当に盛り合わせたものです。今回の材料はスポンジケーキとマーマレードとバナナとキーウィとヨーグルトでした。これを食べながらお茶を何杯も飲んであれこれのお喋りをする、というお茶の会なのです。
奥様の絵がついた年賀状を頂きました。キャンバスに水彩で描いたものです。森の中の別荘の様子を描いたものですが、この別荘というのがなかなか興味深く、何と申しましょうか、非常に風情のあるワビサビの世界なのです。柱はあるが壁はなく、屋根はあるがよく見ればプラスチックシート、トイレはあるが土に穴を掘ってあるだけ、水は雨水、電気はない、煮炊きがしたければ焚き火をする、という別荘なのです。90歳近くになってそんな別荘で何日も過ごす彼らは、私も含む現代の甘い若造たちとは違う次元に生きていらっしゃいます。
こちらはご主人作の水彩画です。モデルは私の一番好きな花、ニワゼキショウです。小学校の校庭にひっそりとたくさん咲いていて、なんだかとても可愛かったのです。他にも好きな花はたくさんありますが、今でも私にとってはこれは特別な花です。