魚を数える
2013年 08月 24日
今日はアウトドアスクールに日本からのお客様がおいでになりました。ご一緒に構内を見て回り、サーモンが遡上してくる川にも行きました。やっぱり水が濁ってますね。これはコバルトが溶け込んでいるのだそうです。いつもは川の水は澄んでいるのですが、今年は夏が暑くて氷河がたくさん溶けて、それでこんな色になったのだそうです。ふーむ、世界中で洪水や旱魃が起きていますが、それじゃあこの川の水も異常気象の結果なのですね。
氷河の水が流れ込まない部分は水がガラスのように澄んでいます。死んだ魚が白く光っていますね。
川辺に白っぽいものがたくさん集まった場所がありました。
よく見ると、サーモンの骨です。なんでこんな地上にあるのかというと、鳥や動物がここに持ってきて食べるからなのです。この辺りはワシが多い地域なので、あと3週間もしてサーモンの産卵がピークになると、あちこちの木の枝にサーモンがぶら下がっている光景が見られるのだそうです。それは何だか、、、相当に不気味な光景でしょうね。サーモンは野生動物にとっても、そして川岸の植物にとっても、貴重な栄養源なのです。
これは背骨なのかな。面白い形をしています。
川岸の細い道を歩いていくと、チャレンジエリアというのがありました。子供たちをタフに育てるためのタフな遊具が9種類もあるのだそうです。このエリアに到着するまでの道のりも、迷いそうで十分にチャレンジだと思うのですが。。。
サーモンを獲る仕掛けのところに戻ってくると、ちょうどこのトラックが乗り入れたところでした。
カナダの漁業海洋省のトラックです。何をしに来たのかというと、、、
川を遡ってくるサーモンの数を数えに来たのです。こうやって網ですくって、、、
仕掛けの反対側で網から出して、もう一人のおじさんに手渡します。
サーモンがこうやっておとなしくぶら下がってくれてたらいいのですが、そううまくいかない場合もあります。つるりと滑っておじさんの手を離れ、地面をのたうちまわるサーモンもいます。
大きいですね。こんなふうに肩のあたりに大きなコブがあるのが雄で、まっすぐなのが雌だそうです。しかし、これはやっぱり肩ではなくて背中でしょうか。魚にも肩に当たる部分は、、、ないのかな、やっぱり。
おじさんたちは季節になると毎日やってきて、ここにサーモンが何匹捕まっているかを数えるのだそうです。この仕掛けは一日に一回こうして空になり、これを調べることでサーモンが今年はこの川に何匹くらい上ってきているかが分かるという仕組みです。サーモンが何万匹上ってくる、などの数字を聞いたことはありましたが、なるほど、それはこうやっておじさんたちの地味な努力の積み重ねの結果分かったことなんだな、と思いました。なお、ここで捕まえたサーモンは後で放すのだそうです。上流にはサーモンの孵化場もあるので、そこに持っている場合もあると思うのですが、よく分かりませんでした。
9月になって学校の生徒たちがやってくると、子供たち自身がこのおじさんたちのような格好でこの仕掛けの中に入り、1グループあたり雄2匹雌2匹を捕まえます。そして子供たちが自分の手で人工授精を行い、そうやって命と性の教育をするのだそうです。なんだかものすごく奥の深いアウトドアスクールなのです。。。
おまけです。広い園内では、移動が大変です。車や自転車もあるのですが、ゴルフカートも活躍しています。
もう一つおまけ。今日は夏が戻ってきたような暖かい日だったので、滞在中の若者たちが池で泳いだり水着で日光浴をしたりしていました。水は結構冷たいのですが、若い彼らにはちょうどいいのでしょう。夏もそろそろ終わりです。