武士道と云ふは死ぬことばっかりではないと見つけたり

葉隠というのは聞いたことのない方もいらっしゃるかもしれませんが、肥前の国の、いや、佐賀県の人なら誰でも知っているけど実はよく知らない難しい本です。みんな本のタイトルと「武士道と云ふは死ぬことと見つけたり」という有名な初めの言葉だけ知っているのです。「生きるべきか死ぬべきか、それが問題だ」というところだけ知っているシェークスピアのハムレットのようなものです。私も葉隠の本を手に取ったことはありますが、ページをめくってみて漢字の量に圧倒され、直ちに閉じました。

しかし、そんな本でもよーく読んでみようという奇特な人がたまにはいるもので、若かりし頃はプロ顔負けの自転車乗りだったために「競輪屋のおっちゃん」として知られていた西山先生などは、葉隠から自分の好きなところだけ抜き出して英訳して本にしました。実は葉隠を研究している人は世界各地にいて、彼の論文はそういう研究グループの英語の解説書の一部としても収録されています。なぜかチェコ共和国で出版された本です。

先日はローカル新聞社主催の市民大学で講座を開いて、歴史好きのおじさんおばさんたちに葉隠の話をしています。彼はもう何年も地道にこの翻訳プロジェクトをやってるので、その中で面白いと思ったことを話したもののようです。私もインド哲学のマイナーな翻訳をひっそりと何年も続けてますが、得にならんところが遺伝したもんだな、と思います。広告ばかりの本紙と同じくビデオも広告が盛りだくさんですが、よろしかったらご覧ください。西山先生は半分くらいから出てきます。

Commented by ゆか at 2013-07-06 15:27 x
西山先生のクラス、大盛況ですネ!佐賀県人は葉隠れにとっても興味あるんですね。
翻訳をこつこつやってるとこ、教えるのがじょうずなとこ、研究家肌なとこもお父上ゆずりなんですね、葉子ちゃん。(顔も似てると思う)
Commented by 葉子 at 2013-07-06 15:47 x
佐賀市で行われた講座に続いて2回目だと思います。地味なテーマながら、保守的で地味な佐賀県にはぴったりの古典で根強い人気があるのでしょう。盛況だったようで私も嬉しかったです。

子供の頃は父にそっくりと言われていていましたが、大人になると母に似ていると言われることが増えてきました。足して割ったような顔なのでしょう。
Commented at 2013-07-07 01:25 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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by ammolitering6 | 2013-07-06 12:59 | Comments(3)

写真サイト3個目です。


by ammolitering6